地元のこと
平日の夕方
ひさびさに地元に帰った
バスに乗らず歩いた
駅にむらがる
放課後の素朴な制服たち
どこの高校かぜんぶわかる
ほほえましい。
母校の女の子たちがかわいい。
東京の、化粧を塗りたくった女より
すこぶるかわいいと思ってしまった。
制服姿のまま、手をつないで歩くふたりをみてにやける
駅前のスターバックスに通い詰めていた日々
そういえば新しい店舗にはまだ行けていないなと気づく
どうやらだいぶすてきらしい
インスタグラムであきるほどみたけれど
けれど、行く
そういう性
案の定、すてきだった
建物のなかは、すこしだけ
わたしが知っているカフェに似ていた
設計したひとはわからなかった
あーこれスターバックスじゃなくてこんなふうなオリジナルのカフェを作ればよかったんじゃないのと一瞬思ってしまったけど、きっとこれはスターバックスだから意味がある
そういうもの
そういうものだ
たった三ヶ月だけど
街は少しずつ変わっていた
こんなに変わってしまうものなのか
知らないお店ができていた
こぎれいなお店がふえてゆく
あ、
営業してるのかもわからない丸い入り口の中華屋さん、息絶えたかのように閉店していて
ふうん。と思った
テナント募集の紙が
なんか悲しかった
行ったこともないしお店の人も知らないしそれでもあのザ・中華料理!みたいな店構えは存在感がつよくて好きだったのに
未だ見ぬあぶらっぽいキッチンを想像してしまい
さらに悲しくなった
ひっこしてきてから十年間住んだ街
もう十年も経ったのか
わたしのアオハルがつまっているとこ
きっとみんなが好きな街
いつか戻ってくるんだろうか
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