母親
東京に通うようになってからすっかり歩き慣れてしまった新宿で、
母親と
待ちあわせをした。
わたしにとって地元と新宿は別世界のようなもので、
つまりそこに母親がいることが面白くってにやけてしまった。
ちがう世界のいきものが、ぽつんと置き去りにされたかのように見えてしまったのが
面白くって。
なんだか新鮮で、むずがゆくて、恥ずかしくて
お得意の速足に身を任せ
すいすいと歩いてしまった。
この親子、つくづく、都会は似合わないと思った。
用事を終えてそれから、母親をわたしの勤務先に連れてってみた。
やっぱりなんだか変な感じがした。
いいお母さんだねと言われて、
いいお母さんですよと言った。
そうか、いいお母さんなのか。
そうか。
そうか。
母親のことをちょっぴり憎んでしまうのは
わたしだけでいいと思った。
どうか、これからも穏やかに、ゆるやかに、生きて欲しい。
そういう日。
父の日なのに母を想う日。
親不孝ね
あー、それで、ついに、ここからがわたしの正念場
夢も現実も全部受けとめなければいけないよ。
がんばっちゃおうね
今日もがんばろ.