これからを生きる料理人として

 

オイシイものが、安く、手軽に食べられるこの時代に

私は、美味しいものを生み出す料理人でありたいのです。

 

 

 

あれ?なにか既視感あるな?と思ったら、

某結婚情報誌のキャッチコピーでした。

さらにきちんと調べたら、

まさかのそのまんまでした。

 

ん~~、だってあのフレーズ、

たまらなく好きなんだよな。

 

 

さておき

 

 

基本的に、売られているものはオイシイ

あたりまえだのクラッカー

だって、オイシクなるように

商品開発のみなみなさまが、

日々試行錯誤しているのだからねそりゃ

まあとにかくオイシイ。認めよう、オイシイ。

 

身体に良いか悪いかとか、いまは別として

いろんなものを添加してしまえば、オイシイはつくれる!

 

 

言ってしまえば、シンデレラの魔法のようなものです。

 

畑にころがってるただのカボチャが、馬車になるように

ズタズタに破れた洋服が、美しいドレスになるように

ネズミは馬車をひく馬に、ガチョウやトカゲが御者になったように。

 

 

そういえば、食品添加物については高校卒業前にちょこっと独学していて

なんだかコンビニの菓子パンが買えなくなってしまったのを思い出しました。

 

一度でも、食品添加物を学んだ人であれば、

この例え、うなずいてもらえると思うんです。

 

まあでも今言いたいのは、良いとか悪いとかじゃないので、割愛。

 

 

 

じゃあ、私が生み出したい美味しいもの、ってなんでしょう

 

 

日本語大好き人間だから、こう言うしかないです、

 

「美しい味!」

 

常用外の言葉だから、アレだけど

「おいしい」は「美味しい」って当てはめたひと、

ほーーーんと、ナイスガイっていつも思っています。

 

 

 

そう、それで、これなの、私は「美しい味」を常に意識したいのです。

したいというよりは、するべきなんだろうね。

 

 

 

現代に寄り添っている、食品添加物まみれの薄利多売

やっぱり、どう考えても「美しい」とは言い難いのです私は。

 

 

私は、何かものごとを考えるときに

全否定もしないし、かと言って全肯定もするつもりはないので

ケースバイケース、みんなそれぞれ個人の考えを

潰さずに、大事にして欲しいとは思っているのです。

 

でもその考えをぎゅっと抱えつつも、いろんな視野を持つことが

本当に大事なことだと思っているので

 

一度は、考えてみて欲しいのです。

 

飲食業、全然関係なくたって、

なにかしら食べて飲んで生きていかなきゃいけないのが性

 

自分自身の、血となり肉となっていくためのもののはずなのに、

まわりをぐるりと見渡せば、

あれなんだかおかしいな?って違和感。

 

 

もし感じることがあるのであれば、

その違和感を大事にして欲しいです。

 

消費者であるわたしたちが少しづつ変わらないかぎり、

ニーズに応えようとし続ける体制は変わっていかないし

それらがますます暴力的になっているのが

まさにこの現代だなあと感じています。

 

うつくしくない

 

 

 

家に帰る夕暮れ時に、家々からふんわりただよう

美味しそうなかおりにおなかをすかせてしまうような

 

 

そういう時代を知っている最後の世代として

激動の平成を生き抜いた世代として

 

これからを生きる料理人として

 

 

考えることはまだまだたくさんありそうね。